た金額を記入すれば、左側の合計と右側の合計との差は、金庫中にある現金の合計を常に示している。これら二つの合計が互に相等しく、両者の差がゼロとなることもあり得る。このときには、金庫は空である。けれども右側の合計は決して左側の合計より大であることが出来ない。この二つの欄全体は現金勘定[#「現金勘定」に傍点]と呼ばれる。左欄の全体は現金勘定の借方[#「借方」に傍点](doit または 〔de'bit〕)と呼ばれ、右欄のそれは貸方[#「貸方」に傍点](avoir または 〔cre'dit〕)と呼ばれる。借方と貸方の差は現金勘定の残高[#「残高」に傍点](solde)と呼ばれ、正またはゼロであり得るが、しかし負ではあり得ない。
一九三 ここまでは、複式簿記に似た所は一つもない。次に複式簿記がいかにして現われるかを説明しよう。
私の金庫の中に入る貨幣は、これを私に貸した資本家または私から生産物を購った消費者から来り、出ていく貨幣は固定資本または流動資本に変形していく。ところで、私は、金庫内に入ってくる金額を現金勘定の借方に記入し、この金額がどこから来るかを示そうと欲し、また同様に金庫から出る金額
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