出来る。かつてバスチアもまた分析をおしつめれば、人は用役と用役とを交換するものであるといったが、しかし彼はこれを人的用役についていっただけである。私は、土地の用役・人的用役・動産用役についても、かくいうのである。
 だから生産の均衡状態においては、企業者は利益も得なければ損失も受けない。この場合には、企業者は企業者として存在するのではなくして、自己のまたは他人の企業のうちに、地主・労働者または資本家として存在するのである。故に私は思うに、合理的な会計をなそうとすれば、自ら耕作する土地の地主である企業者、自らの企業の経営に任ずる企業者、事業に投下した動産資本を所有する企業者は、一般的経費として、地代・賃銀・利子を借方に記入し、またこれらを企業者勘定の貸方に記入せねばならぬ。この方法をとれば、正確には、企業者として利益も損失も得られない。実際、もし企業者が、自分の企業において、自分の生産用役から、他の企業において得られるより高い価格を得られるとすれば、この企業者はその差だけの利益または損失を受けることとなるのは、明らかではないか。
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    第十九章 企業者について。企業の
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