である。
「もしある物の流行が去り、または人々がこの物を重んぜぬようになれば、この物は、以前いかに高価であっても、廉価となる。反対に、費用がほとんどかかっていないありふれた物も、稀少となれば、直ちに価格をもち始め、時にはすこぶる高い価格となることは、例えば乾燥した土地における水、包囲下のまたは航海中のある場合における水に見る如くである。
「一言でいえば、物の価格を高からしめるすべての特殊事情は、この物の稀少性に関係がある。例えば製作の困難なこと、製品の精緻なこと、製作者が名匠であることの如きがこれである。
「自分が所有するある物に対し、ある特殊な理由により、例えばこの物がある人の大きな危険を避けるとか、またはそれがある顕著な事実の記念物であるとか、あるいはまた名誉の象徴であるとかの理由により、この人が、普通に人々が与える以上の評価をなすとき、この価格は好尚の価格または愛著《あいちゃく》の価格(prix d'inclination ou prix d'affection)と呼ばれるのであるが、この価格もまた右の理由と同じ理由に帰せられ得る。」
 これが稀少性学説である。ジェノベエジ僧正(〔
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