エ価が1に等しいことの必要。二一四 企業者が生産用役を等量ならしめようとするという仮定。二一五 用役の有効需要及び供給。企業者による需要量、消費者による需要量。価格がゼロと無限大の間を変化するに従う需要と供給の変化。二一六、二一七 用役の供給と需要の均等のための摸索。二一八 価値尺度財の需要。二一九 価値尺度財の原価が1に等しいための摸索。二二〇 生産物と用役の均衡価格の成立の法則。
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二〇八 そこで我々は市場に行って、そこで人々が偶然に用役の価格 p't[#「t」は下付き小文字], p'p[#「p」は下付き小文字], p'k[#「k」は下付き小文字] ……のn個、製造すべき生産物の量 Ωa[#「a」は下付き小文字], Ωb[#「b」は下付き小文字], Ωc[#「c」は下付き小文字], Ωd[#「d」は下付き小文字] ……(取引証書によって表わされていると仮定する)のm個を決定したと仮定する。これに続いていかなる活動が起るかをよく捕捉するために、私はまず、企業者が生産物(A)、(B)、(C)、(D)……のある量を売り、消費者はこれを購い、また前者は生産用役(T)、(P)、(K)……を購い、後者はこれらを売り、この買われる生産用役の量と売られるそれとは等価値ではあるが等量ではないと仮定し、この仮定の下に、企業者が利益も得なければ損失も受けないような Ωa[#「a」は下付き小文字], Ωb[#「b」は下付き小文字], Ωc[#「c」は下付き小文字], Ωd[#「d」は下付き小文字] ……を決定しよう。次に、企業者が購う用役と消費者が売る用役とは等価値であると同時に等量であると仮定し、この仮定の下に用役の有効需要と供給とが均等となるような p't[#「t」は下付き小文字], p'p[#「p」は下付き小文字], p'k[#「k」は下付き小文字] ……を決定しよう。この場合に一見して明らかであるように、この研究方法は価値尺度財までも捨象していないにしても、少くとも貨幣を捨象している。
ここで、私共の与件と条件となっているもののうちでは、狭義の資本が現物のまま貸し付けられると仮定せられていることを注意するのは、無意義ではあるまい。しかし既に説明したように(第一九〇節)、資本家はその資本を貯蓄によって形成するから、実際においては、資本は貨幣で賃貸せられる。しかし資本の創造と貨幣の形態をとる資本の賃貸とを同時に考えることは、後にしようと思う。
二〇九 (T)、(P)、(K)……の価格 p't[#「t」は下付き小文字], p'p[#「p」は下付き小文字], p'k[#「k」は下付き小文字] ……[#「……」は底本では欠落]は、右に述べたように、偶然に決定せられているのであるから、その結果として、企業者に対しては、一定の生産費[#「生産費」に傍点] p'a[#「a」は下付き小文字], p'b[#「b」は下付き小文字], p'c[#「c」は下付き小文字], p'd[#「d」は下付き小文字] ……が、次の方程式から決定せられる。
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p'a[#「a」は下付き小文字]=at[#「t」は下付き小文字]p't[#「t」は下付き小文字]+ap[#「p」は下付き小文字]p'p[#「p」は下付き小文字]+ak[#「k」は下付き小文字]p'k[#「k」は下付き小文字]+ ……
p'b[#「b」は下付き小文字]=bt[#「t」は下付き小文字]p't[#「t」は下付き小文字]+bp[#「p」は下付き小文字]p'p[#「p」は下付き小文字]+bk[#「k」は下付き小文字]p'k[#「k」は下付き小文字]+ ……
p'c[#「c」は下付き小文字]=ct[#「t」は下付き小文字]p't[#「t」は下付き小文字]+cp[#「p」は下付き小文字]p'p[#「p」は下付き小文字]+ck[#「k」は下付き小文字]p'k[#「k」は下付き小文字]+ ……
p'd[#「d」は下付き小文字]=dt[#「t」は下付き小文字]p't[#「t」は下付き小文字]+dp[#「p」は下付き小文字]p'p[#「p」は下付き小文字]+dk[#「k」は下付き小文字]p'k[#「k」は下付き小文字]+ ……
……………………………………
[#ここで字下げ終わり]
読者も認められるであろうように、p'a[#「a」は下付き小文字]=1 となるように、p't[#「t」は下付き小文字], p'p[#「p」は下付き小文字], p'k[#「k」は下付き小文字] ……を決定することも自由である。私は、時と処に応じて、この自由を利用しよう。ただし後に至って、価値尺度財である商品の生産費は、自由競争の制度の下においては、自《おのずか》ら1に等しくなろうとするものであることを示す機会があろう。今は(A)の生
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