コ付き小文字] …… が先験的に決定せられると仮定した。だが実際においてはそうではない。ある生産物の製造に当っては、ある生産用役例えば地用をより多くあるいはより少く用い、他の生産用役例えば利殖または労働をあるいはより少くあるいはより多く用いることが出来る。このようにして、生産物の各一単位の製造に入り込む生産用役の各々の量は、生産物の生産費は最小でなければならぬとの条件によって、生産用役の価格と同時に決定される。後に私は、決定せられるべき製造係数の数だけの方程式の体系によって、この条件を表わすであろう。今は、簡単を期するため、それを捨象し、右の係数は与件に属して、問題の未知数に属しないと仮定する。
この仮定をおくと共に、更に私は、他の一つの事情すなわち企業における不変費用と可変費用との区別を無視する。企業者は利益も損失も受けないと仮定せられているから、彼らはまた等しい量の生産物を製造していると仮定せられ得る。そしてこの場合には、あらゆる性質のあらゆる費用は商品の量に比例すると考えることが出来る。
二〇五 既に述べておいたように、生産用役を原料に適用する場合を、私は、生産用役の相互の結合の場合に分解し還元する。私共はそうしなければならない。なぜなら、原料はそれ自身あるいは生産用役相互の結合によりあるいは生産用役を他の原料に適用することによって得られ、しかもこの原料にも同じことがいい得られるからである。
例えば(B)の一単位が、(T)の βt[#「t」は下付き小文字] 量、(P)の βp[#「p」は下付き小文字] 量、(K)の βk[#「k」は下付き小文字] 量……を原料(M)の βm[#「m」は下付き小文字] に適用することによって得られるとすると、(B)の生産費 pb[#「b」は下付き小文字] は方程式
[#ここから4字下げ]
pb[#「b」は下付き小文字]=βt[#「t」は下付き小文字]pt[#「t」は下付き小文字]+βp[#「p」は下付き小文字]pp[#「p」は下付き小文字]+βk[#「k」は下付き小文字]pk[#「k」は下付き小文字]+ …… +βm[#「m」は下付き小文字]pm[#「m」は下付き小文字]
[#ここで字下げ終わり]
によって与えられる。ここで pm[#「m」は下付き小文字] は(M)の生産費であるとする。しかし原料(M)はそれ自身生産物であって、その一単位は(T)の mt[#「t」は下付き小文字]、(P)の mp[#「p」は下付き小文字]、(K)の mk[#「k」は下付き小文字] ……の結合によって得られるから、(M)の生産費 pm[#「m」は下付き小文字] は方程式
[#ここから4字下げ]
pm[#「m」は下付き小文字]=mt[#「t」は下付き小文字]pt[#「t」は下付き小文字]+mp[#「p」は下付き小文字]pp[#「p」は下付き小文字]+mk[#「k」は下付き小文字]pk[#「k」は下付き小文字]+ ……
[#ここで字下げ終わり]
によって与えられる。pm[#「m」は下付き小文字] の値を先の方程式に代入すれば、
[#ここから4字下げ]
pb[#「b」は下付き小文字]=(βt[#「t」は下付き小文字]+βm[#「m」は下付き小文字]mt[#「t」は下付き小文字])pt[#「t」は下付き小文字]+(βp[#「p」は下付き小文字]+βm[#「m」は下付き小文字]mp[#「p」は下付き小文字])pp[#「p」は下付き小文字]+(βk[#「k」は下付き小文字]+βm[#「m」は下付き小文字]mk[#「k」は下付き小文字])pk[#「k」は下付き小文字]+ ……
[#ここで字下げ終わり]
が得られる。この方程式は、
[#ここから4字下げ]
βt[#「t」は下付き小文字]+βm[#「m」は下付き小文字]mt[#「t」は下付き小文字]=bt[#「t」は下付き小文字], βp[#「p」は下付き小文字]+βm[#「m」は下付き小文字]mp[#「p」は下付き小文字]=bp[#「p」は下付き小文字], βk[#「k」は下付き小文字]+βm[#「m」は下付き小文字]mk[#「k」は下付き小文字]=bk[#「k」は下付き小文字] ……
[#ここで字下げ終わり]
と置いてみると、[4]組の第二方程式に他ならない。
原料(M)が生産用役相互の結合によってではなく、生産用役をある他の原料に適用して得られるときに、いかにすべきかも、またこれによって直ちに理解出来るであろう。
二〇六 かくして総計 2m+2n 個の方程式が得られる。だが、これら 2m+2n 個の方程式は 2m+2n−1 個に還元せられる。実際[3]組のn個の方程式の両辺にそれぞれ Pt[#「t」は下付き小文字], Pp[#「p」は下付き小文字], Pk[#「
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