》く巨人《きよじん》の爪先《つまさき》には此《こ》の平坦《へいたん》な田《た》や畑《はた》や山林《さんりん》の間《あひだ》に介在《かいざい》して居《ゐ》る各《かく》村落《そんらく》の茅屋《あばらや》は悉《こと/″\》く落葉《おちば》を擡《もた》げて出《で》た茸《きのこ》のやうな小《ちひ》さな悲慘《みじめ》な物《もの》でなければならなかつた。各自《かくじ》の直上《ちよくじやう》を中心點《ちうしんてん》にして空《そら》に弧《こ》を描《ゑが》いた其《そ》の輪郭外《りんくわくぐわい》の横《よこ》にそれから斜《なゝめ》に見《み》える廣《ひろ》く且《か》つ遠《とほ》い空《そら》は黄褐色《くわうかつしよく》な霧《きり》の如《ごと》き埃《ほこり》の爲《ため》に只《たゞ》※[#「火+稻のつくり」、第4水準2−79−88]《ほのほ》に燒《や》かれたやうである。卯平《うへい》は自分《じぶん》の小屋《こや》に身《み》を窄《すぼ》めた。暫《しばら》く彼《か》の火鉢《ひばち》から立《た》つて、狹《せま》い壁《かべ》から壁《かべ》に衡突《ぶつか》つて彷徨《さまよ》ひ出《で》た薄《うす》い煙《けぶり》が疾風《しつぷう
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