つて搗《つ》くべぢやなし、なんでも俺《お》れ死《し》ねばえゝ位《ぐれえ》にして待《ま》つてんだんべが、此《こ》れ、味噌《みそ》なんざ搗《つ》いたからつてさう直《す》ぐに手《てえ》つけらつるもんぢやなし、俺《お》ら明日《あす》が日《ひ》にも死《し》ぬかどうだか分《わか》りやしねえが、そんでも自分《じぶん》の見《み》てつ處《ところ》で搗《つ》きせえすりや明日《あした》死《し》ぬにしたつて心持《こゝろもち》やえゝから」卯平《うへい》は獨《ひと》り呟《つぶや》くやうにしてそれから
「あん時《とき》搗《つき》せえすりや今頃《いまご》ら食《く》へば食《く》へんのに」と彼《かれ》は其《その》癖《くせ》の舌《した》を鳴《な》らした。
「俺《お》れ小忌々敷《こえめえましい》から打《ぶ》つ飛《と》ばしてやつたに」卯平《うへい》は暫《しばら》く措《お》いて又《また》少《すこ》し聲《こゑ》に力《ちから》を入《い》れていつた。
「さうかね、俺《お》らそんなこた知《し》らなかつたつけが、さうえこた幾《いく》ら懇意《こんい》だ近所《きんじよ》だつちつたつて一々《いち/\》他人《ひと》の飯臺《はんだい》まで蓋《ふた》
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