な》る程《ほど》こりや痛《いた》かんべえなんて魂消《たまげ》らあな、唐鍬《たうぐは》なんざ錢《ぜね》出《だ》しせえすりや幾《いく》らでも有《あ》んが、此《こ》の手《て》つ平《ぴら》はねえぞ、二|年《ねん》三|年《ねん》唐鍬《たうぐは》持《も》つたんぢや恁《か》うは成《な》んねえかんな、俺《お》らがな唐鍬《たうぐは》の柄《え》さすつかりくつゝいちやつたんだから、こんで毎年《まいとし》四五|反歩位《たんぶりぐれえ》は打開墾《ぶちおこ》すんだから」勘次《かんじ》は蹙《しが》めた顏《かほ》の筋《すぢ》がゆるんだ樣《やう》になつておつたの前《まへ》に誇《ほこ》つた。
「旦那《だんな》の山林開墾《やまおこ》しちやうめえのよ、場所《ばしよ》によつちや陸稻《をかぼ》も作《つく》れるし、俺《お》らこんでも三四|反歩《たんぶり》づつは作《つく》つてんだが、今年《ことし》はえゝ鹽梅《あんべえ》な降《ふ》りだから大丈夫《だえぢよぶ》だたあ思《おも》つてんのよ、どうえもんだか以前《めえかた》は陸稻《をかぼ》つちとはあ、とれねえ樣《やう》なもんだつけがな」
「其※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの
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