りつけられた。葬式《さうしき》の日《ひ》は赤口《しやくこう》といふ日《ひ》であつた。
 勘次《かんじ》は近所《きんじよ》と姻戚《みより》との外《ほか》には一|飯《ぱん》も出《だ》さなかつたがそれでも村《むら》のものは皆《みな》二|錢《せん》づゝ持《も》つて弔《くや》みに來《き》た。さうしてさつさと歸《かへ》つて行《い》つた。遠《とほ》く離《はな》れた寺《てら》からは住職《ぢうしよく》と小坊主《こばうず》とが、褪《さ》めた萠黄《もえぎ》の法被《はつぴ》を着《き》た供《とも》一人《ひとり》連《つ》れて挾箱《はさみばこ》を擔《かつ》がせて歩《ある》いて來《き》た。小坊主《こばうず》は直《すぐ》に棺桶《くわんをけ》の葢《ふた》をとつて白《しろ》い木綿《もめん》を捲《ま》くつて窶《やつ》れた頬《ほゝ》へ剃刀《かみそり》を一寸《ちよつと》當《あ》てた。此《こ》の形式的《けいしきてき》の顏剃《かほそり》が濟《す》んでから葢《ふた》は釘《くぎ》で打《う》ち附《つ》けられた。荒繩《あらなは》が十|文字《もんじ》に掛《か》けられた。晒木綿《さらしもめん》の残《のこ》つた半反《はんだん》でそれがぐる/\と捲
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