ら》に窘《たしな》めるやうに
「おとつゝあは酩酊《よつぱら》つたつてそんなに顛倒《ぐれ》なけりやよかつぺなあ」と獨《ひと》り呟《つぶや》いた。
「云《ゆ》つて見《み》たのよ」勘次《かんじ》は態《わざ》と笑《わら》つて椀《わん》を膳《ぜん》へ置《お》いた。
「おつか樣等《さまら》もこつちへ來《こ》うな、一杯《いつぺえ》やれな」彼《かれ》は更《さら》に板《いた》の間《ま》の隅《すみ》の方《はう》に居《ゐ》る女房等《にようばうら》にいつた。
「ほんに仲間入《なかまいり》したらよかつぺ」内《うち》の女房《にようばう》もいつた。若《わか》い女房等《にようばうら》は仲間《なかま》には成《な》らなかつた。さうして唯《たゞ》笑《わら》つて居《ゐ》た。唄《うた》ひ騷《さわ》ぐ聲《こゑ》に凡《すべ》てが心《こゝろ》を奪《と》られて居《ゐ》ると
「汝《わ》りや梅《うめ》噛《かじ》つたんべ、學校《がつこ》の先生《せんせい》げ※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、213−12]《ねえ》訴《えつ》けてやつから、腹《はら》痛《いた》くつたつて我慢《がまん》してるもんだ」
おつぎは眠《ねむ》い眼《め》をこすりながらしく/\泣《な》いて居《ゐ》る與吉《よきち》を横《よこ》にして背中《せなか》を叩《たゝ》いては撫《いたは》りながらいつた。
「どうしたんだあ、腹《はら》痛《いて》えのか毒消《どくけ》しでも呑《の》ませて見《み》つか、俺《お》らもはあ、梅《うめ》だの李《すもんも》だの成熟《でき》ちやびや/\すんだよ、出《で》て行《や》んだから云《ゆ》つたつて聽《き》かねえしなあ」内《うち》の女房《にようばう》はすや/\と眠《ねむ》つた膝《ひざ》の子《こ》の蚊《か》を追《お》ひながらいつた。
「汝《わ》れ梅《うめ》なんぞ噛《か》じつて、おとつゝあ腹《はら》抉《ゑぐ》り拔《ぬ》いてやつから待《ま》つてろ」勘次《かんじ》は疾《とう》から澁《しぶ》つて居《ゐ》た舌《した》でいつた。
「そんなこと云《ゆ》はねえつたつて泣《な》いてんのに何《なん》だつぺな、おとつゝあ」おつぎは勘次《かんじ》を叱《しか》つた。勘次《かんじ》は口《くち》を嵌《つぐ》んで箸《はし》の先《さき》へ馬鈴薯《じやがいも》を刺《さ》した。與吉《よきち》は瞼《まぶた》が弛《ゆる》んでいつか輕《かる》い鼾《いびき》を掻
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