じ》ひよどりや、ひたきも取れてあらむと、こはや足をはさまれて、はさまれて居る鼠や、をばやし小溝の鼠、みづ田くが田の鼠は、みしねくひ麥くふ、きやう鼠はつか鼠、いへるなる鼠は戸も柱もくひやぶれど、ひるは梁にかくる、大宮の老鼠、わなにもかゝらずて、よるはかくれてひるいづる、老鼠や、

      その十
いなだきをなからに剃り、そりいなみいたも泣く子や、洟ひるや木でのごはむや、竹で拭はむや、さら/\に利鎌に刈りて、萱でのごはむ、

    新年宴會

利鎌もて刈りゆふ注連のとしのはにいやつぎ行かむ今日の宴は

    雪

筑波嶺の茅生のかや原さら/\にこゝには散らず降れる雪かも

二並の山の峽間に降りしける雪がおもしろはだらなれども

筑波嶺に降りける雪は白駒の額毛に似たり消えずもあらぬか

    寄鑄物師秀眞

小鼠は栗も乾※[#「魚+是」、第4水準2−93−60]も引くといへどさぬるふすまも引くらむや否

うつばりのたはれ鼠が栲繩のひきて行くちふひとりさぬれば

橿の實のひとりぬればに鼠だに引くとさはいふひとりはないね

嫁が君としかもよべども木枕をなめてさねなむ鼠ならめやも

いと
前へ 次へ
全73ページ中45ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
長塚 節 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング