のなりや否や疑はしきものなれば失敗に歸したるは勿論のみ、されど予はその成るべきか、成らざるべきか自ら悟らざるまでは折々に作りて見むと思ふ、晦澁卑俗なるの故を以て斥けられざれば幸なり、
[#ここで字下げ終わり]

      その一
※[#「禾+魯」、第3水準1−89−48]田におり居の鴫、しぎつき人つき網もち、とほめぐりいや近めぐり、めぐれども羽叩もせず、鴫はをらずや、鴫は居れどかくれて居りと、おのれ見ゆらくを知らに、稻莖に嘴をさしいれ、さし入れてかくれて居りと、網でとられきや、

      その二
おほ寺の榎がうれに、このみをばとりてはまむと、綱かけてのぼりけむや、梯かけてのぼりけむや、はしもかけずつなもかけずて、なにをしてかよぢけむぞ子や、おりこやと母が喚べど、このみはみおりてもこぬや、父がよばゞおりや、

      その三
水つくや稻の朽田に、ひれふりてあそべる鮒を、筌おきてとらばよけむや、叉手さしてすくひてとらむ、しかれども叉手をさせば、田をこえてにげて行くや、畔放ちてたれかおきけむ、吾田の畔を、

      その四
殖椚くにぎがしたに、芒刈るをとめ、なが刈らせこそ、春野
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