つしり結んだ紐は手で解かねばいつまでも足について決してとれるものではない。此草鞋の紐はどうしてもぎつしり結んで置かねばならぬ。余はかう思ひながら靜かに暮れ行く寺泊の磯の砂濱へ笠も蓙も荷物も投げ出して徐ろに草鞋の紐を結んだ。
[#地から1字上げ](明治四十年十一月一日發行、ホトトギス 第十一卷第二號所載)
底本:「長塚節全集 第二巻」春陽堂書店
1977(昭和52)年1月31日発行
入力:林 幸雄
校正:伊藤時也
2003年11月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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