った研究は、どんなかたちにおいてであろうと、もう、二度とくりかえしてやる気にはなれなかった。クレンペ氏は、がさつな声の、人好きのしない顔つきをした、ややずんぐりした男だったが、そのせいか、この教師のやっている講義はどうしても好きになれなかった。私は、おそらく、どちらかというとあまりに哲学的な、即きすぎた調子で、自分が小さいころそれに手を出すようになった結論を話したのであった。子どものころ、私は、近代の自然科学の教授たちが約した結果に満足しなかったのだ。私はまだ年少で、そういうことについて手引きしてくれる人が居なかったためとしか思われない思想の混乱から、時代に沿うて知識の歩みを逆に辿り、最近の研究者の発見を忘れられた煉金術者の夢と取り換えたのであった。そのうえに私は、近代の自然哲学の効用を軽蔑していた。科学の教師たちが不滅さと力を求めたとすれば、それはたいへん異なったものであった。そういった見解は無益ながらも壮大ではあったが、今や舞台が変ってしまった。研究する者の抱負は、私に科学への興味を主としてもたせたこういう幻想を、絶滅するかどうかに懸っているようにおもわれた。私は、はてしのない壮麗
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