ものです。そういう人たちは、私たちの子どものころの性分を知っていますが、その性分は、あとで変るとはいえ、根が絶えるわけではありません。この人たちは、私たちの動機の誠実さについては、いっそう確かな結論でもって私たちの行動を判断できるのです。ほかの友だちなら、たとい強い愛着をもたれながらも、思わず知らず疑惑の眼で見られるような時でさえ、兄弟とか姉妹は実際にそういった徴候が前々から現われるのでないかぎり、たがいに瞞したり偽りの扱いをしたりしやしないか、などと疑うことはできません。しかし私には、習慣や交際からばかりでなく、その人のもっているほんとうの値うちから親しくなった友人もありました。こうして、どこへ行っても、エリザベートのやさしい声とクレルヴァルの話し声が、たえず私の耳もとでささやいていたのでした。この人たちも死んでしまい、もはやこういった孤独のなかでは、たった一つの感情しか私を生きながらえさせることはできません。つまり、私がもし同胞のために広くやくだつ何か高邁な仕事もしくは計画に従事したとすれば、その時は私も、それをやりぬくために生きることができたはずです。しかし、それは私の運命ではあ
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