の不幸を十倍も増しているかもしれませんね。ああ! ヴィクトル、あなたの従妹、遊び友だちが、あなたに対して誠意のある愛情をもっているかぎり、こういう仮定のためにみじめな思いをなさらなくてもよいことはたしかです。幸福になってください。このただ一つの要求に従ってくださるなら、地上の何ものも私の平静を妨げる力をもたないことに満足していらしてください。
「この手紙があなたを苦しめたりするようなことがございませんように。もしも、そうするのが苦痛でしたら、明日も、明後日も、お帰りになるまでも、御返事をお書きにならなくてさしつかえありません。伯父さまがあなたの御健康のことを知らしてくださるでしょう。お会いしたとき、私のいろいろな努力によってあなたの唇にただの一度でも微笑が浮ぶのを見たら、私にはそのほかの幸福に要りません。
[#ここから地から2字上げ]
エリザベート・ラヴェンザ
ジュネーヴで一七××年五月十七日」
[#ここで地上げ終わり]
 この手紙は、今まで忘れていた悪鬼のおどし文句――「結婚式の夜には行くからな![#「結婚式の夜には行くからな!」に傍点]」――を記憶のなかに甦らせた。それが私に対する
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