願いがむらむらと起ってきても、それは苦悶と絶望の発作で中断されるだけのことであった。私は再三、なんとか忌わしい存在に結着をつけようとしたので、私が何か恐ろしいむちゃなことをしでかさないように、たえず人が附き添って見張りしている必要があった。
 とはいえ、私には一つの義務が残っていて、考えがそこへいくと、結局は自分の利己的な絶望をひっこめないわけにいかなかった。必要なことは、即刻ジュネーヴに帰って自分の熱愛する人たちの命を見張りし、あの殺人鬼を待ち伏せて、やつの隠れ家のある所に乗りこむような機会があれば、あるいは、やつがふたたび現われて私に危害を加える気になったとすれば、狙いあやまたず、あの奇怪な姿の存在をかたずけることであった。やつの姿は、魂のなかでなおさら奇怪なものとなって私を愚弄するのであった。父は、私が旅の疲れに堪えられないだろうと気づかって、まだ出発を延ばしたいと考えた。というのは、私に打ち砕かれた残骸――人間の影であった。私は腑抜けになってしまった。私は骸骨でしかなく、しかも夜となく昼となく熱が私の体を衰弱させるのであった。
 それでも、私がいらいらして、しつこくアイルランド
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