の戸口に立った貧乏人で、まだ追いはらわれた者はなかったのだ。わたしはたしかに、わずかばかりの食べものや休息よりも大きな宝を求め、親切や同情を欲したのだが、自分にその資格がてんで無いとは思わなかった。
「冬も深くなって、わたしが生命に眼ざめてから、四季がまるまる一めぐりした。このときわたしの注意は、自分を家の人たちに引き合せる計画だけに向けられていた。あれやこれやと、いろいろ計画をめぐらしましたが、最後に決めたのは、盲の老人がひとりでいる時に家に入って行くことであった。以前にわたしを見た人たちが怖れたのは、主としてわたしの姿の不自然な無気味さであった、ということがわかるほど、わたしは賢くなっていたのだ。わたしの声は、耳ざわりではあるが、そのなかには怖ろしいものがなかった。だから、もしも若い連中の居ないあいだにド・ラセー老人の善意ととりなしを得ることができれば、そのために若い人たちに咎められないですむかもしれない、と考えた。
「ある日、地面に散らばった紅葉を陽が照らして、暖かくはなかったが晴ればれとしていたとき、サフィーとアガータとフェリクスは遠足に出かけ、老人は自分から望んでひとりで畄守
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