の身うちが一人また一人と奪い去られたことを、知っていただければよいのです。私はひとりぼっちになってしまいました。私自身の力も尽きはてました。私はごく手短かに、この怖ろしい話の残りをお話ししなければいけませんね。
私はジュネーヴに着いた。父とエルネストはまだ生きていたが、父は私かもたらした消息を聞いてぐったりとしてしまった。すぐれた慈悲ぶかい老人であった父が、今でも私の眼に見える! 父の眼はあらぬかたをぼんやりと見ていた。それはもはや魅力や歓びを失ったのだ。余生が少くなるにつれて、ほかのことにはあまり感情を動かさないで、残っている者にますます一心にしがみつく人が感じる、あのあらゆる愛情をもって溺愛したエリザベートは、父にとっては娘以上のものであった。老齢の父に災難をもたらし、不幸のために精根を枯らすように運命づけた悪鬼は、いくら呪われてもよい! 父はまわりに積み重なった恐怖のもとに生きていけず、存在の泉がとつぜんに涸れ、寝床から起き上れなくなって、数日のうちに私の腕に抱かれて死んでしまった。
それから私はどうなったか。私は知らない。私は感覚を失い、鎖と暗黒しか私に強く迫るものはなかった。ときにはたしかに、若かった頃の友だちと花の咲いた牧場や楽しい谿谷をさまよっている夢を見たが、目がさめると牢屋のなかにいるのであった。憂欝は続いたが、だんだんと自分のみじめさや情況をはっきり考えるようになり、やがて牢獄から釈放された。人々は私を気ちがいと呼んだが、察するところ、幾月となく私は、独房に住んでいたのだ。
けれども、私が理性に目ざめたとき、同時に復讐の念を取りもどさなかったとすれば、自由は私には無用のたまものであった。過去の不運が私を圧迫するにつれて、私は、その原因である自分のつくった怪物、自分の破滅のためにこの世に追い放ったあの悲惨な魔もののことを考えはじめた。そいつのことを考えると、私は、狂おしい怒りに捉えられ、そいつをつかまえてその呪われた頭に、これと思い知らせやれるようにと、願い、かつ一心に祈るのであった。
私の憎悪は、何にもならない欲求だけにいつまでもとどまってはいず、やつをつかまえるいちばんよい手段を考えはじめた。そして、そのために、釈放されてからひと月ばかりして、町にいる刑事裁判官のところに出かけて、私は告発することにする、私は自分の家族を殺した者を知って
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