農民自治の理論と実際
石川三四郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)素盞嗚尊《すさのをのみこと》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)悧※[#「りっしんべん+巧」、429−3]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)なか/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

         一

 私の今から申し上げやうとすることは政談演説や労働運動の講演会といふ様なものではなくて、ごくじみ[#「じみ」に傍点]な話であります。初に農民自治の理論を話して、次にその実際を話したいと思ひます。
 理論としては第一に自治といふことの意義、第二に支配制度、政治制度の不条理なこと、第三に土地と人類との関係、即ち自治は結局は土着生活であること、土着のない自治制度はないこと、土民生活こそ農民自治の生活であることを述べたいと思つてをります。実際としてはこの理論の実行方法とそれへの歩みを述べるために、第一社会的方法、第二個人的方法に分けて
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