緑色の太陽
高村光太郎

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)自由《フライハイト》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)踟※[#「足へん+厨」、第3水準1−92−39]《ちちゅう》逡巡

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔“RAISON D'E^TRE”〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
−−

 人は案外下らぬところで行き悩むものである。
 いわゆる日本画家は日本画という名にあてられて行き悩んでいる。いわゆる西洋画家は油絵具を背負いこんで行き悩んでいる。飛車よりも歩を可愛がるような羽目に自然と立ち至る事もあるのである。その MOTIV(モチフ)を考えるとおかしくはあるが、行き悩んでいる当面の事局を眼鏡の焦点に置いて考えると、かなり惨酷なものに見えないでもない。無意味な混雑と危険な SONDE(測定)の乱用とは、こんな時にすべての芸
次へ
全12ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
高村 光太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング