によってこれから生まれる一万の村々の図書館)に、わが館のカードとともに、良書が虹のように降りそそぐときがいつの日にか来ると、私たちは信じ、それに命を賭けることに日々を費やしているのである。
 それは果たして単純な、愚直な、願いだけだろうか。私は、意識過剰な私は、決してそうは思っていない。この過剰な意識を横にぬぐって、キレイにぬぐって、敢えてこの願いにすがりついているのである。高さを測ることなく、このハードルに向かって、まっすぐに走っているのである。
[#地付き]*『朝日評論』一九五〇年十一月号



底本:「中井正一全集 第四巻 文化と集団の論理」
   1981(昭和56)年5月25日第1刷
初出:「朝日評論」
   1950(昭和25)年11月号
入力:鈴木厚司
校正:染川隆俊
2009年8月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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