マルサス氏の『穀物条例に関する諸観察』と、『一意見の諸基礎』云々と題されている彼れの他のパムフレットで、いかに違った意味で真実価格なる言葉が用いられているかを示さんがために、前者からの章句を注意した。この章句においてマルサス氏は、『穀物の生産を奨励し得る所のものは、明かに真実価格の増加のみである』と吾々に告げているが、彼は明かに真実価格なる語によって、他のすべての物に相対するその価格の増加を、または換言すれば、その自然価格またはその生産費以上に出ずるその市場価格の騰貴を、意味しているのである。もしも真実価格なる語がかかることを意味するとするならば、私はそれをかくの如く名づけるのは適当であるとは思わないけれども、マルサス氏の意見は疑いもなく正しい。それのみが穀物の生産を奨励する所のものは、その市場価格の騰貴である。けだし、一貨物の生産の増加に対する唯一の大きな奨励は、その市場価値がその自然価値または必要価値を超過するということである、ということは、斉《ひと》しく真実な原理とされ得ようからである。
 しかし、これは、マルサス氏が他の場合に、真実価格なる語に附している意味ではない。地代に関す
前へ 次へ
全691ページ中666ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
リカードウ デイヴィッド の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング