も割引かず一シリングを公衆に貸付けなくとも、吾々は同一量の粗生原料品や機械や食物や船舶を有っているはずであるから、取引額には何らの変動も起らないであろう。そしてまたおそらく、法定率が市場率以下である時には実際必ず法定率たる五%ではなく、貸手と借手との間の市場における公正な競争の結果たる六、七、または八%で、同額の貨幣が貸付けられ得よう。
 アダム・スミスは、現金勘定によってなすべきスコットランド式資金融通方法が、イングランド式に勝ることから、商人が得る便益について、語っている。かかる現金勘定は、スコットランドの銀行業者がその顧客に、彼らのために彼が割引する手形を加えて、与える所の信用である。しかし銀行業者は、彼が貨幣を前貸してそれを一つの方法で流通界へ送出すに比例して、他の方法でそれだけを発行することを妨げられるのであるから、その便益が何であるかを認知することは困難である。もし全流通が単に百万の紙幣を支え得るに過ぎないならば、百万が流通されるに過ぎないであろう。そして銀行家にとっても商人にとっても、全体が手形の割引によって発行されるか、または、一部分がかくの如くして発行せられ、その残り
前へ 次へ
全691ページ中588ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
リカードウ デイヴィッド の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング