り、想像されている如くに、銀行が当時政府に対してなした多額の融通がその原因であったのではない。その時に銀行も政府も悪い点はなかった。銀行取付を惹起したものは、社会の小心な一部の無根拠な恐怖の伝播であり、そして銀行が政府にいかなる融通もなさずそしてその現在の資本の二倍を所有していたとしても、それは等しく起ったことであろう。
『紙幣を発行するについての規則に対する銀行理事の周知の意見をもってすれば、彼らは、その力を大して慎重にもせずに行使したと言われ得よう。彼らが極度に注意して、彼ら自身の原理に随《したが》って行動したことは明かである。現在の法律状態においては、彼らは、何らの監督も受けず自ら適当と考えるいかなる程度にも流通貨幣を増減する力を有っているが、それは、国家自身にもまたその中のいかなる団体にも与えられるべきではない力である。けだし通貨の増減がもっぱら発行者達の意思に依存している時には、通貨の価値の斉一性に対しては何らの保証も有り得ないからである。銀行が流通貨幣を全く最も狭い限度にまで減少せしめる力を有っているということは、理事は無限にその分量を増加する力を有っていないということで理
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