してそれに不平を云うのは、あたかも富有な商人が、その貧しい隣人の小屋はあらゆるかかる危険から免れているのに彼れの船だけは海難の危険に曝されている、ということを悲しむと同様に、不合理であろう。
(九四)農業ですら、より[#「より」に傍点]劣れる程度でではあるが、この種の事故を免れることは出来ない。諸国間の通商を中絶せしめる商業国における戦争は、しばしば、穀物が僅小の費用で生産され得る国から、かかる有利な位置にない他の国へ輸出されることを妨げる。かかる事情の下においては、異常な資本量が農業に引去られ、そして以前の輸入国が外国の援助を失うに至る。戦争の終了と共に輸入に対する障害が除去され、そして国内耕作者にとって破滅的な競争が始《はじま》り、この耕作者はこの競争から、その資本の大部分を犠牲にすることなくしては退き得ない。国家の最良の政策は、国内耕作者に漸次に彼れの資本を土地から引去る機会を与えるために、限られた年数の間、外国穀物の輸入に対して、時々減額されて行く租税を課することであろう(註)。かくの如くすれば国はその資本を最も有利に分配しているわけではなかろうが、しかしその国が蒙る一時的租税
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