者その他の必要品生産者によって、需要される。すなわち彼らは穀物及び必要品を毛織物業者に毛織布と引換えに与え、そして彼は、その雇傭する労働者に、その労働が彼に与えた所の毛織布と引換えにこれらのものを与えたのである。
この取引は今終りを告げるであろう。毛織物業者は、雇傭すべき人間はより[#「より」に傍点]少く処分すべき毛織布はより[#「より」に傍点]少いのであるから、食物及び衣服を求めないであろう。単に一目的を達する手段として必要品を生産したに過ぎない所の農業者その他の者は、その資本をかく用いることによってはもはや毛織布を取得し得ず、従って彼らは、自らその資本を毛織布の生産に用いるか、または真に求められている貨物が供給されるために他人にそれを貸付けるであろう。そして何人もそれに対し支払手段を有たず、またはそれに対し需要のない所のものは、生産されざるに至るであろう。かくてこのことは吾々を同一の結果に導くこととなる、労働に対する需要は減少し、労働の支持にとり必要な貨物は同じ程度に豊富には生産されないであろう。
もしかかる見解が正しいならばこういうことになる。すなわち第一、機械の発明及びその有用な使用は、たとえそれはまもなくして、その純生産物の価値を増加しないかもしれず、また増加しないであろうとはいえ、国の純生産物の増加に導くこと。
第二、一国の純生産物の増加は総生産物の減少と両立するものであり、そして、機械を用いんとする動機は、もしそれが純生産物を増加せしめるならば、たとえそれは総生産物の分量とその価値との双方を減少せしめるかもしれず、またしばしば減少せしめなければならぬとはいえ、常にその使用を保証するに足るものであること。
第三、機械の使用はしばしば労働者の利益に対し有害であるという、労働階級の抱いている意見は、偏見や誤謬に基くものではなく、経済学上の正しい諸原理に一致するものであること。
第四、もし機械の使用の結果たる生産手段の改良が、一国の純生産物を、総生産物を減少せしめないほどの程度において増加せしめるならば、(常に私は貨物の分量を意味し価値は意味しない、)すべての階級の境遇は改善されるであろう。地主と資本家とは、地代と利潤との増加によってではなく、同一の地代と利潤とを、価値が極めて下落した貨物に支出することから生ずる便益によって、利得するであろう、しかるに労働階級の境遇もまた著しく改善されるであろう、第一に、僕婢に対する需要の増加によって、第二に、かくも豊富な純生産物が与える所の、収入からの貯蓄に対する刺戟によって、そして第三には、彼らの労賃がそれに支出されるすべての消費物の価格の下落によって。
(一四二)吾々の注意が今向けられて来た所の機械の発明と使用に関する考察とは別に、労働階級は、国の純所得が費される仕方について、たとえすべての場合においてそれは正当にそれを得る権利を有つ者の満足と享楽のために費されるとはいえ、少なからざる利害関係を有っている。
もし地主または資本家が、その収入を、昔の貴族と同様に、多勢の家来または僕婢の支持に費すならば、彼は、それは美しい衣服や高価な什具、馬に、または何らかの他の奢侈品の購買に、費す場合よりも遥かにより[#「より」に傍点]多くの労働に職業を与えるであろう。
双方の場合において、純収入は同一であり、総収入もまたそうであろうが、しかし前者は異る貨物に実現されるであろう。もし私の収入が一〇、〇〇〇|磅《ポンド》であるならば、私がそれを美しい衣服や高価な什器に実現しようと、または同一の価値を有つ食物や衣服のある分量に実現しようとを問わず、ほとんど同一量の労働が雇傭されるであろう。しかしながら、もし私がその収入を第一群の貨物に実現するならば、その結果として[#「その結果として」に傍点]、より[#「より」に傍点]以上の労働が雇傭されることはないであろう。――私は、私の什器や私の衣服を享楽し、そしてそれは終りを告げるであろう。しかし、もし私が、その収入を食物や衣服に実現し、そして私の願望が僕婢を雇傭するにあるならば、私が一〇、〇〇〇|磅《ポンド》の私の収入をもって、あるいはそれが購買すべき食物や衣服をもって、僕婢として雇傭し得るすべての者が、労働者に対する以前の需要に附加されるはずであり、そしてこの附加は、ただ私がその収入をかくの如く費す方を選んだが故にのみ起るであろう。かくて労働者は労働に対する需要に利害関係を有っているから、彼らは当然、出来るだけ多くの収入が、奢侈品への支出から転向せしめられて僕婢の支持に費されることを望まなければならぬのである。
同様にして、戦争をしておりかつ大陸海軍を維持しなければならぬ国は、戦争が終りを告げかつ戦争の齎す所の年々の支出が止んだ時に、用いられる
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