ソを受けないであろうから、粗生生産物に対する租税によって貨物の価値に対し及ぼされる影響には各種各様の最大の種類があることは明かである。この影響が生み出される限り、それは特定貨物の輸出を奨励したり阻害したりし、そして疑いもなく、貨物の課税に伴うと同一の不便を伴うであろう。それは各々の価値の間の自然的関係を破壊するであろう。かくて一箇の帽子の自然価格は、一ヤアル半の毛織布と同一ではなくして、単に一ヤアル四分の一の価値を有つに過ぎないか、または一ヤアル四分の三の価値を有つことになり、従ってむしろ異る方向が外国貿易に対して与えられるであろう。すべてのこれらの不便はおそらく輸出品及び輸入品の価値[#「価値」に傍点]に影響を及ぼさないであろう。それは単に全世界の資本の最上の分配を妨げるに過ぎないであろうが、かかる分配は、あらゆる貨物が人為的制限によって束縛されずに自由にその自然価格に落着くに委ねられる時に最も適宜に調整されるのである。
しからばたとえ我国自身の貨物の大抵のものの騰貴が、一時の間一般に輸出を妨げ、そして永続的に若干の貨物の輸出を妨げるとしても、それは外国貿易を大いに妨げることは出来ず、そして外国市場における競争に関する限りにおいては吾々を他に比較して不利益な地位に置くことはないであろう。
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第十章 地代に対する租税
(六二)地代に対する租税は地代にのみ影響を及ぼすであろう。それは全然地主の負担する所となり、そしていかなる消費者階級へも転嫁され得ないであろう。地主は、最も不生産的な耕地から得られる生産物とあらゆる他の質の土地とから得られるそれとの間の差違を不変にしておくであろうから、その地代を高め得ないであろう。第一、第二、及び第三の三種の土地が耕作されており、そして各々同一の労働をもって、一八〇、一七〇、及び一六〇クヲタアの小麦を産出する。しかし第三等地は何ら地代を支払わず、従って課税されない。かくて第二等地の地代は十クヲタアの価値を、また第一等地のそれは二十クヲタアの価値を、超過せしめられ得ない。かかる租税は粗生生産物の価格を高め得ないが、それは、第三等地の耕作者は地代もまた租税も支払わないから、彼は決して生産された貨物の価格を高め得ないからである。地代に対する租税は新しい土地の耕作を阻害しないであろう、けだしかかる土地は地代を支払わず、かつ課税されないであろうから。もし第四等地が耕作されるに至り、そして一五〇クヲタアを産出するとしても、いかなる租税もかかる土地に対して支払われないであろうが、しかしそれは第三等地に十クヲタアの地代を発生せしめ、かくて第三等地は租税を支払い始めるであろう。
(六三)地代が構成されるにつれて地代に課せられる租税は、耕作を阻害するであろうが、けだしそれは地主の利潤に対する一租税となるであろうからである。土地の地代なる言葉は、私が他の場所で論じた如くに、農業者がその地主に支払う価値の全額に適用されているが、その一部のみが厳密には地代なのである。建物や造作、及び地主の支払うその他の費用は、厳密には農場の資本の一部をなし、そして地主によって供給されなければ借地人によって備えられねばならなかったものである。地代とは土地の使用に対しそして土地の使用に対してのみ、地主に支払われる額である。地代の名の下に支払われるより[#「より」に傍点]以上の額は建物等の使用に対するものであり、そして実際は地主の資本の利潤である。地代に課税する際には土地の使用に対し支払われる部分と、地主の資本の使用に対し支払われるそれとの間には、何らの区別もされないであろうから、租税の一部分は地主の利潤の負担する所となり、従って、粗生生産物の価格が騰貴しない限り、耕作を阻害するであろう。その使用に対しては何らの地代も支払われない土地においては、地主に対し彼れの建物の使用に対して、その名の下にある補償が与えられるであろう。粗生生産物が売られる価格が、啻にすべての通常の支出を支払うのみならず、更に租税というこの附加的支出を支払うまでは、これらの建物が建てられることもないであろうし、また粗生生産物がかかる土地に栽培されることもないであろう。租税のこの部分は地主の負担にも農業者の負担にも帰せず、粗生生産物の消費者の負担する所となる。
もしも租税が地代に課せられるならば、地主は直ちに、土地の使用に対して彼らに支払われるものと、建物の使用及び地主の資本によってなされた改良に対して支払われるものとを、弁別する方法を発見するであろうことは、ほとんど疑いはあり得ない。後者が家屋及び建物の賃料と呼ばれるに至るか、または耕作されるに至ったすべての新しい土地においては、地主によってではなく借地人によって、かかる建物が建てられかつ改良が
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