「ては、需要は減少せしめられ、その分量は減少せしめられないであろうからである。そして疑いもなく同一の原因はしばしば労働の労賃に影響する。労働者数は、彼らを雇傭すべき基金の増加または減少に比例して、急に増加または減少せしめられ得ない。しかし仮定された場合においては、労働に対する需要の必然的減少はなく、もし減少したとしても需要は租税に比例して減少しない。ビウキャナン氏は、租税によって徴収された基金は、労働者――もちろん不生産的労働者ではあるがしかもなお労働者である――の維持に政府によって用いられることを忘れているのである。もし労賃が課税されている時に労働が騰貴しないならば、労働に対する競争は著しく増加するであろう、けだしかかる租税に対しては何ものをも支払う必要のない資本所有者は、労働を雇傭するための同一基金を有っているのに、他方に租税を受取る政府は、同一の目的のための附加的基金を得るであろうからである。かくて政府と人民とは競争者となり、そして彼らの競争の結果は、労働の価格の騰貴である。単に同一数の人間が雇傭されるであろうが、しかし彼らは騰貴した労賃で雇傭されるであろう。
 もし租税が直ちに資本家に賦課されていたならば、その労働の維持のための基金は、その目的のための政府の基金が増加したとまさに同一の程度において減少したであろう。従って労賃には騰貴はなかったであろう。けだしたとえ同一の需要があるとしても、同一の競争がないからである。もし租税が賦課せられた時に、政府が直ちにそれによる徴収高を補助金として外国に輸出するならば、従ってまたもしかかる基金が、例えば陸海軍人、等々の如き、英蘭《イングランド》労働者ではなく外国の労働者の維持に向けられるならば、実に労賃は課税されても、労働に対する需要は減少し、そして労賃は騰貴し得ないであろう。しかし、租税が消費貨物や資本の利潤に課せられ、またある他の方法で同一額がこの補助金を供給するために徴収される場合には、同一のことが起り、すなわちより[#「より」に傍点]少い労働しか国内で雇傭され得ないであろう。一方の場合においては労賃の騰貴は妨げられ、他方の場合においてはそれは絶対的に下落しなければならない。しかし労賃に対する租税の額が労働者から徴収された後に、彼らの雇傭者達に無償で支払われると仮定するならば、それは彼らの労働の維持のための貨幣基金
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