而も是れ我輩の空想に非ずして自然の趨勢なる可きを信ず。
天下定まる可くして定らざるは、其の罪実に在野の党人に在り、彼等は初め藩閥打破を旗幟として起りたるに拘らず、其の目的未だ成らずして早く藩閥と提携したりき、是れ実は藩閥を利用せむとするに在りたるも、反つて多く藩閥の為めに利用せられたりき、是れ今に於て尚ほ真の局面展開を見る能はざる所以なり、我輩の所謂る局面展開とは、完全なる政党内閣を建設すること是れなり、完全なる政党内閣を建設するの策は他なし、唯だ最初の民党合同を実行するに在り、是れ曾て憲政党内閣時代に於て既に之れを実行し、不幸にして一二野心家の自由党を惑乱したるものありしが為めに忽ちにして其の合同を破りたるも、是れ人為の破壊にして当然の破壊には非ず、我輩は自由党中にも、閣下の内閣に於ける失敗の経験に鑑みると同時に、其必らず大悟徹底して真の局面展開を実行するの準備に着手する人ありを信ぜむと欲す。
※[#始め二重括弧、1−2−54]二十七※[#終わり二重括弧、1−2−55]
山県相公閣下、自由党を惑乱して其の良心を壊敗せしめたるものは、之れを前にしては伊東巳代治男あり、
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