て閣下の内閣を破壊せむとするを見る、是れ彼れに在ては殆んど尋常の事のみ、何ぞ怪むを須いむ、独り我輩の怪む所は一百余の代議士を有する大政党が斯くの如き醜怪なる人物をして擅まに其党規を紊乱せしめて憂へざること是れなり、我輩豈一の星亨氏に重きを置きて区々の言を為すものならむや。

      ※[#始め二重括弧、1−2−54]二十五※[#終わり二重括弧、1−2−55]
 山県相公閣下、道路伝ふる所に拠れば、自由党の総務委員も亦星亨氏の局面展開論に一致し、聯立内閣の名義の下に政権分配を閣下に要求するの議を決したりと、而して斯る要求の到底閣下に容納せらる可きものたらざるは、我輩既に之れをいへり、閣下にして若し之れを拒絶せば、自由党は如何なる態度を以て所謂る局面展開の実効を挙げむとする乎、或は曰く、事此に至れば自由党は唯だ閣下の内閣と提携を絶つの外なきのみと、顧ふに此種の局面展開論は、恐らくは伊藤侯の同意を得るものにあらざる可く、侯は曾て自由党の為めに屡々政権分配を要求せられて屡々手を焼きたるの人なり、侯が政党改造を唱道するの一要義は実に自由党が常に政権分配を口実として、侯の所謂る大権の作用に干渉
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