−3−29]曰く大隈を外務に入れ松方を大蔵に挙ぐるは戦後に経営を全うする刻下の急要なりと※[#白ゴマ、1−3−29]而して彼は此問題の発議者として数へらるゝのみならず、又之れを実行するに於て朝野の間に斡旋したりき※[#白ゴマ、1−3−29]斯くの如くにして前内閣倒れたりとせば、之に代るの内閣が彼に首相たるを求むるは自然の情勢なり※[#白ゴマ、1−3−29]而かも彼は周囲の慫慂に応ぜずして反つて新内閣の組織に干渉せず※[#白ゴマ、1−3−29]是れ其の志決して政界に永訣せるに非ず、彼は巧みに隠れたるのみ。
 試に彼が黒田内閣の時代に於ける出処を見よ※[#白ゴマ、1−3−29]彼は条約改正に反対するが為に一の機関新聞を起して頻りに大隈攻撃を事とせしめ、而して当時彼は外国を漫遊して恰も政変を待つものゝ如く、其帰朝せるの日は、大隈難に逢ふて内閣方に動くの際にして、彼は内閣交迭の主謀者たらざるも、亦敢て黒田内閣の不幸を助くるの意思はなかりき※[#白ゴマ、1−3−29]故に黒田首相職を辞するや、衆彼に擬するに首相を以てすること亦猶ほ伊藤前内閣崩壊後に於けるが如くなりき※[#白ゴマ、1−3−29]而
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