「伊藤侯の勢力を以てすと雖ども」に傍点]、固より斯の如き都合善き希望を滿足せしむるの魔術を有せざるは無論なり[#「固より斯の如き都合善き希望を滿足せしむるの魔術を有せざるは無論なり」に傍点]。
然れども侯は大局の利害を打算すると共に[#「然れども侯は大局の利害を打算すると共に」に白丸傍点]、又た出來得る限り善く政友會の利害をも考量したり[#「又た出來得る限り善く政友會の利害をも考量したり」に白丸傍点]。侯は桂内閣が猫撫聲を使ふに似ず、案外其の決意の堅固なるをも認識したりき。妥協の申込を素氣なく拒絶せば、其の結果は再解散あるをも疑はざりき。故に侯は會員を諭して曰く、此の上政府と衝突して解散を重ぬるは國家の不利益なりと。其の實[#「其の實」に白丸傍点]、解散は政友會の不利益なれば妥協は一面に於て政友會の爲に謀りたるものといふべし[#「解散は政友會の不利益なれば妥協は一面に於て政友會の爲に謀りたるものといふべし」に白丸傍点]。政友會員たるものは[#「政友會員たるものは」に白丸傍点]、又何の總裁に慊焉たらざる所ぞ[#「又何の總裁に慊焉たらざる所ぞ」に白丸傍点]。
夫の脱會諸氏の中には、侯が
前へ
次へ
全497ページ中92ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング