洋的[#「西洋的」に白丸傍点]なると謂ふ可し。
伊藤侯の銅臭なくして艶聞ある[#「銅臭なくして艶聞ある」に白丸傍点]、大隈伯の艶聞なくして銅臭ある[#「艶聞なくして銅臭ある」に白丸傍点]、世之れを稱して好個の一對と爲す※[#白ゴマ、1−3−29]然れども財を好て私徳を傷るに至らずむば、未だ之れを以て大隈伯を譏る可からず※[#白ゴマ、1−3−29]色を好て公徳を紊さずむば、未だ之れを以て伊藤侯を累はすに足らず※[#白ゴマ、1−3−29]况んや大隈伯の財に於ける、善く積て善く散ずるの道に依り、伊藤侯の色に於ける、是れ英雄懷を遣るの餘戯に過ぎざる可きをや※[#白ゴマ、1−3−29]之れを聞く、前年伊藤侯の邸に舞踏會あるや、偶々醜聲外に傳りて、都下の新聞日として侯を議せざるなし※[#白ゴマ、1−3−29]人あり侯に勸むるに新聞記事の取消を以てす※[#白ゴマ、1−3−29]侯笑つて曰く、事の公徳に關するものは予固より之れを不問に附する能はず[#「事の公徳に關するものは予固より之れを不問に附する能はず」に白丸傍点]、區々一身上の誹毀何ぞ意に挾むに足らんやと[#「區々一身上の誹毀何ぞ意に挾むに足ら
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