て[#「たとひ之を謀るも多くは其の意見を容れずして」に傍点]、反つて伊東男の平生敵視せる他の人士に謀りたるが故に非ずや[#「反つて伊東男の平生敵視せる他の人士に謀りたるが故に非ずや」に傍点]。蓋し彼れは新内閣を認めて豫後不良の症状ありと爲し[#「蓋し彼れは新内閣を認めて豫後不良の症状ありと爲し」に白丸傍点]、伊藤侯をして早晩之れを自覺せしめて[#「伊藤侯をして早晩之れを自覺せしめて」に白丸傍点]、局外より侯を救ひ出だすの手段を取らむと欲するものゝ如し[#「局外より侯を救ひ出だすの手段を取らむと欲するものゝ如し」に白丸傍点]。唯だ此の推定は[#「唯だ此の推定は」に白丸傍点]、彼と伊藤侯との關係に就て[#「彼と伊藤侯との關係に就て」に白丸傍点]、常識上より觀察したるに出づ[#「常識上より觀察したるに出づ」に白丸傍点]。若し彼れに別種の隱謀奇策ありとせば[#「若し彼れに別種の隱謀奇策ありとせば」に白丸傍点]、是れ固より彼れ以外の人の窺ひ知る可き所に非ず[#「是れ固より彼れ以外の人の窺ひ知る可き所に非ず」に白丸傍点]。
井上伯の失蹤は、渡邊子の心機一轉と相反襯して一幅の奇觀を表出せり。世間の
前へ
次へ
全497ページ中76ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング