したる所にして、今更之を一洗するの必要を感ぜず。之を以て暗に我黨を指すの言とするに至りては、己れを卑うして自ら疑ふの嫌あるを免かれずといひ、以て毫も自ら反省囘悟するの赤心を示さゞるは、伊藤侯亦恐らくは其の厚顏に驚きたる可きを信ぜむとす。最後に政黨の規律を説て曰く、政黨にして國民の指導たらむと欲せば、先づ自ら戒飭して紀律を明にし其の秩序を整へ、專ら奉公の誠を以て事に從はざる可からずと。是れ既成政黨の無紀律不秩序を咎め、此れより生じたる黨弊を革むるを趣旨としたるに在り。余は伊藤侯が主として此の趣意を實行せむことを望まざるを得ず。
綱領や約九個條にして、宣言の註脚といふ可く、其の外交に關しては、文明の政以て遠人を倚安せしめ法治國の名實を全からしめむことを努む可しといひ、其國防に關しては常に國力の發達と相伴行して、國權國利を充全ならしめむことを望むといひ、其の學政に關しては國民の品性を陶冶し、公私各々國家に對する負擔を分つに耐ゆるの懿徳良能を發達せしめ、以て國礎を牢くせむことを希ふといひ、其の實業に關しては、農商百工を奬め、航海貿易を盛にし、交通の利便を増し、國家をして經濟上生存の基礎を鞏か
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