齎し來りて國民に寄與するや否やに非ずして[#「公が如何なる新觀察を齎し來りて國民に寄與するや否やに非ずして」に白丸傍点]、如何なる新運動を今後の政治社會に試む可きや否やに在りとす[#「如何なる新運動を今後の政治社會に試む可きや否やに在りとす」に白丸傍点]。
 余の記憶によれば、公の世界漫遊は、貴族教育の取調を第一の目的と爲し、政治上の觀察は寧ろ第二の目的なりしものゝ如し※[#白ゴマ、1−3−29]蓋し公は現に學習院長として貴族教育の重任を負ひ、而も近來專ら心血を此の方面に注ぐと共に、政治社會に於ける態度の稍々保守に傾きたるは事實に近かし※[#白ゴマ、1−3−29]公は最近數年間に起れる政變に於て[#「公は最近數年間に起れる政變に於て」に傍点]、幾たびか自己の運命を試驗す可き機會に遭遇したれども[#「幾たびか自己の運命を試驗す可き機會に遭遇したれども」に傍点]、公は常に淡然として之れを閑却したるに反して[#「公は常に淡然として之れを閑却したるに反して」に傍点]、獨り學習院の事業に至ては[#「獨り學習院の事業に至ては」に傍点]、燃ゆるが如き改革的精神を以て[#「燃ゆるが如き改革的精神を以て
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