經營なるべし。其の成敗は則ち市の能否を試驗する所以なれば、氏夫れ二十年來鍛錬し得たる手腕を揮つて世間の群小を一齊屏息せしむるを得るや否や。(三十九年八月)

     尾崎市長と大岡市會議長

 尾崎行雄氏は東京市長として未だ世間に誇るに足るものなくして、却つて群小嘲弄の標的たらむとするは氣の毒の至りに堪へず。前に氏の市長に就任するや、故星亨の殘黨たる郡市懇話會、之れに反對して起りたる公民會、及び餘の中立派は、悉く相一致して氏を助くるの態度を示したりき。而も時を經るに從ひ、氏は漸く市民の代表者に重むぜられず、最も氏を信用したる公民會派すらも、氏に對する同情は以前の如く深厚ならざむとするに至れり。氏の位地は幾たびか危急に迫れりと報ぜられたりき。氏の名節を惜むものは寧ろ氏が辭職の斷あらむことを望みたること一再に止らざりき。特に電車問題に關する氏の失敗は、氏をして最後の處決に出でしむるに十分の理由あるものなりき。氏は東京市會が電車市有の決議を爲したるを見て、直に屬僚に命じて市有案を編制せしめつゝありしに、市參事會員は其の同一屬僚をして更に反對の立案を爲さしめたりといへり。市參事會員の行動斯く
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