を備へたり。是に由て之れを觀れば、彼れの感化力も亦驚くべきものなくむばあらず。以て彼れの眞價の存する所を知るべし。(四十一年一月)

   活動したる河野廣中

 △河野廣中の奉答文事件は、一時疑問の中心と爲つて、是れには黒幕があるの、進歩黨の策略だのと、いろ/\揣摩憶測をするものがあつたが、追々事實が擧がるに從つて、黒幕の仕事でも何でもない、河野一己の腦中から生れた趣向[#「河野一己の腦中から生れた趣向」に白三角傍点]であつたことが分明《わか》るやうになつた。
 △兎角政治社會には、政略とか利害とかいふものがあつて、總ての觀察が色眼鏡を通して來るから、動もすると事實を曲解する傾があつて困まる。河野のやうな自ら欺くことの出來ない男が自分に何等の信念もないのに[#「河野のやうな自ら欺くことの出來ない男が自分に何等の信念もないのに」に白丸傍点]、唯だ策士の入智惠でアンな際どい芝居が演られるものでない[#「唯だ策士の入智惠でアンな際どい芝居が演られるものでない」に白丸傍点]。又た河野は正直だからといつて[#「又た河野は正直だからといつて」に白丸傍点]、一から十まで人の御先に遣はれる役目と極ま
前へ 次へ
全497ページ中363ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング