の信任に身を托し」に白丸傍点]、前者は公衆を對象として客觀し[#「前者は公衆を對象として客觀し」に白丸傍点]、後者は自己及び自己の職分を本位として主觀す[#「後者は自己及び自己の職分を本位として主觀す」に白丸傍点]。前者は共和國に在ても猶或は政治家たるを失はずと雖も[#「前者は共和國に在ても猶或は政治家たるを失はずと雖も」に白丸傍点]、後者は獨り君側輔弼の宰相として立つに非ずむば[#「後者は獨り君側輔弼の宰相として立つに非ずむば」に白丸傍点]、政治家たるよりも[#「政治家たるよりも」に白丸傍点]、寧ろ軍人として成功せむ[#「寧ろ軍人として成功せむ」に白丸傍点]。山縣公爵が常に一介の武辨と稱し曾て政治家を以て自ら任ぜむとするの口吻を漏らしたることなきは、則ち彼れに自知の明あるが爲に非るなきか。
 試に大隈伯爵を見よ、彼れの門前は日に各種各樣の來客を以て市を成せり。政黨員も往き、新聞記者も往き、實業家も往き、相場師も往き、紳士も往き、貴婦人も往き、學者も、書生も、浪人も爭ひ往けり。而して一たび早稻田邸の玄關を辭したるものは、皆大隈伯爵の寫聲機となり、喇叭管となり、讚美者となりて、彼れを社會
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