若し官屬主義にして成立し得可くむば、初期議會に於て既に成立す可き筈なるに、當時僅かに超然内閣の名義によりて一時を糊塗したるに止まり、事實は反つて政黨の援助を得て内閣を支持したるは何ぞや爾來官屬主義は獨り藩閥者流若くは藩閥に隷事せる屬僚の間に唱へらるゝに過ぎずして、年々歳々唯政黨の勢力次第に膨脹するを見るのみ、是豈政黨内閣の到底否定す可からざる理由に非ずや。
相公閣下、自由黨が閣下の内閣と提携したるは、蓋し閣下の内閣をして官屬主義の内閣ならしめんとするにあらずして、實に政黨内閣に入る可き過渡時代の内閣と認めたるに由れり、切言せば閣下の内閣は、自由黨の爲に試驗せられつゝあるなり、此の試驗にして自由黨の豫期したる如き結果を見ざれば、自由黨は如何なる手段を使用しても其當初の目的を達せずむば休止せざる可し、而して閣下は今や一方に於ては官屬主義の屬僚に擁せられ[#「而して閣下は今や一方に於ては官屬主義の屬僚に擁せられ」に傍点]、一方に於ては政黨内閣を目的とせる自由黨に援助せられ[#「一方に於ては政黨内閣を目的とせる自由黨に援助せられ」に傍点]、恰も南面すれば北狄怨み[#「恰も南面すれば北狄怨み」
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