獨り伊藤侯の冀望のみならず[#「獨り伊藤侯の冀望のみならず」に白丸傍点]、獨り自由黨の冀望のみならずして[#「獨り自由黨の冀望のみならずして」に白丸傍点]、又國民多數の冀望なるを以てなり[#「又國民多數の冀望なるを以てなり」に白丸傍点]。
 相公閣下、今の時に於て閣下の内閣を維持せむとするものは、天下唯だ閣下の屬僚あるのみ、閣下は此の屬僚の援助に依りて何時までも内閣の現状を維持し得可しと信ずる乎、夫れ立憲政治の内閣にして一旦國民の多數に倦まるゝことあらば、是れ其の内閣が直に倒るゝの運命を示すものなり、夫の自由黨は一二の野心家の爲めに操縱せられて區々たる目前の利害に制せらるゝが爲めに、眞の局面展開未だ行はれずして、閣下の内閣亦僅かに一日の休安を保つを得ると雖も、自由黨亦必ずしも達識遠見の人なきに非ず、苟くも其主義政見を同うするものと大に合同して、先づ藩閥を殲滅するの壯志を奮へば、閣下の内閣は唯だ一擧にして輙ち倒れむのみ、而も是れ我輩の空想に非ずして自然の趨勢なる可きを信ず。
 天下定まる可くして定らざるは[#「天下定まる可くして定らざるは」に白丸傍点]、其の罪實に在野の黨人に在り[#「其
前へ 次へ
全497ページ中327ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング