れて行はれざりしのみならず、閣下は清浦曾禰等の閣僚に誤られて帝國黨の成立を助け[#「閣下は清浦曾禰等の閣僚に誤られて帝國黨の成立を助け」に傍点]、地方議員選擧の際の如きは[#「地方議員選擧の際の如きは」に傍点]、竊かに地方官に向つて[#「竊かに地方官に向つて」に傍点]、帝國黨の候補者には十二分の援助を與よ[#「帝國黨の候補者には十二分の援助を與よ」に傍点]、其他の政黨員に對しては局外中立を守れと内訓して自由黨の激昴を招きたるは公然の事實なり[#「其他の政黨員に對しては局外中立を守れと内訓して自由黨の激昴を招きたるは公然の事實なり」に傍点]、大岡氏は舊國民派中には比較的智慮に富める人物なり、乃ち此般の現状を見て、頗る憤々の情に禁へざるものありしが爲に、終に飄然として外國漫遊の客と爲り、以て暫らく政變を待つの已むを得ざるに至れり、一の大岡氏を失ひたる如きは、たとひ帝國黨を輕重するに足らずとするも、閣下の閣僚にして帝國黨と密接の關係あるものは、唯だ清浦、曾禰の兩氏のみにして、其他の閣僚は孰れも帝國黨の微弱にして頼む可からざるを知り、現に桂子の如きは、寧ろ自由黨と深く結托して、之れを利用せむと
前へ 次へ
全497ページ中309ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング