、而も閣下より之れを見れば[#「而も閣下より之れを見れば」に白丸傍点]、閣下は恰も伊藤侯の爲に出し拔かれたる觀ありしを以て[#「閣下は恰も伊藤侯の爲に出し拔かれたる觀ありしを以て」に白丸傍点]、其の伊藤侯の行動に慊焉たらざりしは亦無論たる可し[#「其の伊藤侯の行動に慊焉たらざりしは亦無論たる可し」に白丸傍点]、此に於て乎椿山莊は再び隱謀の策源地と爲り、閣下の屬僚は日夕出入して憲政黨内閣の破壞に着手したりき、此れを聞く、憲政黨内閣組織の發表せられたる頃、石黒忠悳翁偶々椿山莊を訪ふ、都筑馨六氏先づ在りて翁と政變を語り、頗る時事に憤々たるものゝ如し、翁諭して曰く、足下等常に元勳に依頼して大事を濟さむとするは甚だ誤まれり、何ぞ自家の實力と運動とに依りて天下を取るの計を爲さゞる、一時の政變に驚くは年少政治家の事に非ず、氣を吐き才を展ぶるは寧ろ今後に在り、足下宜しく大に奮へよと而も都筑氏及び其他の屬僚は、閣下の威名を借らずしては、何等の着手をも爲し能はざりしなり。
 既にして閣下の屬僚は憲政黨内閣の破壞に着手したり、當時の警視廳たる園田安賢男は公然部下の廳吏を集めて煽動的演説を爲し、當時の無任所公
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