及び人爵の中心點なり。故に世俗の欲望皆此に集注す。獨り社會事業に至ては、本來無報酬にして一も如上の欲望を※[#「厭/(餮−殄)」、第4水準2−92−73]かしむるに足るものなし。是れ政治的退隱者たる板垣の爲に好個の事業に非ずや。
[#ここで字下げ終わり]
彼れは斯く語りつゝ、眞摯なる鳶色の目にて記者を見詰めたり。三分の神經質と七分の多血質とを調和したる相貌は[#「三分の神經質と七分の多血質とを調和したる相貌は」に白丸傍点]、今も尚ほ依然として異状なき健康を保持し居れども[#「今も尚ほ依然として異状なき健康を保持し居れども」に白丸傍点]、其の額際より頬の邊りを繞りて[#「其の額際より頬の邊りを繞りて」に白丸傍点]、蜘蛛の巣の如く織り出されたる無數の皺紋は[#「蜘蛛の巣の如く織り出されたる無數の皺紋は」に白丸傍点]、深刻にして精苦なりし閲歴の默示として[#「深刻にして精苦なりし閲歴の默示として」に白丸傍点]、頗る記者の同情を刺戟したりき[#「頗る記者の同情を刺戟したりき」に白丸傍点]。村夫子らしき質朴の風采にも[#「村夫子らしき質朴の風采にも」に白丸傍点]、流石に第一流の國士たる品位は備
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