繁榮以て能く伯の徳を後代に傳ふに足るべし」に白丸傍点]。是に於てか銅像建設も決して無意義に非ずと謂ふべし[#「是に於てか銅像建設も決して無意義に非ずと謂ふべし」に白丸傍点]。
 若し夫れ陸奧宗光伯は、未だ天壽を全うせずして十年前に病死したる人なり。若し伯をして尚ほ今日に健在せしめば、必らずや其の傳記に一段の光彩を添ゆるの事功ありしを疑はず。然れども伯は少なくとも日本の外交史に新紀元を開きたる中興の外務大臣なりき[#「然れども伯は少なくとも日本の外交史に新紀元を開きたる中興の外務大臣なりき」に白丸傍点]。第一外交機關が殆ど全く藩閥の勢力圈を離れて獨立の位地を占むるに至りたるは[#「第一外交機關が殆ど全く藩閥の勢力圈を離れて獨立の位地を占むるに至りたるは」に白三角傍点]、伯の力與つて最も多きに居れり[#「伯の力與つて最も多きに居れり」に白三角傍点]。外交を專門の技術とせる近世の傾向に順應して、訓練ある外交官を登庸するの方針を確立したるは伯なりき。貴族若くは耆宿の名譽職たりし公使の任務を有能者に引渡して、日本の外交機關を刷新するの計畫は、主として伯の手を藉つて行はれたりき。今の林外務大臣を始
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