したりき。今ま大隈伯の能く一人にして板垣伯及び福澤翁の爲したるものを兼濟したるを見るものは、誰れか伯を近世の偉人と稱するに反對するものあらむや。且つ夫れ板垣伯は、始めて自由黨を組織するに方てや、其の名望勢力實に一時を曠うするの概ありしも、年所を經るに從つて漸く尾大不掉の状を示し、終に殆ど國民の記憶より遠ざかりて、杳然聞ゆるなきの末路に立てり。之れを大隈伯が[#「之れを大隈伯が」に白丸傍点]、久しく政權と近接せざるに拘らず[#「久しく政權と近接せざるに拘らず」に白丸傍点]、常に夫の終始順境を來往する伊藤山縣兩公と盛名を※[#「にんべん+牟」、第3水準1−14−22]うし[#「常に夫の終始順境を來往する伊藤山縣兩公と盛名を※[#「にんべん+牟」、第3水準1−14−22]うし」に白丸傍点]、既に政黨の總理を辭任したる後すらも[#「既に政黨の總理を辭任したる後すらも」に白丸傍点]、尚ほ且つ生氣溌溂たる政治家たるを失はざるに比すれば[#「尚ほ且つ生氣溌溂たる政治家たるを失はざるに比すれば」に白丸傍点]、其の差果して奈何と爲すや[#「其の差果して奈何と爲すや」に白丸傍点]。是れ現在の大事實なり。何
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