の二人實に其張本人たりき[#「彼れ及び古澤滋の二人實に其張本人たりき」に白丸傍点]、顧ふに是れ自由黨の黨勢を擴張するに於て多少の成功を博するに足るの一手段たりしは疑ふ可からずと雖も、自由、改進兩黨をして呉越相容れざるの關係と爲らしめたるは、蓋し亦茲に淵源する所ありき。
 既にして井上條約案出づるや、兩黨偶然其歩武を同うして之に反對し、一日兩黨の聯合懇親會あり※[#白ゴマ、1−3−29]其交情大に融和せむとするに際し、何等の不作法ぞ[#「何等の不作法ぞ」に白丸傍点]、彼れは卒然沼間守一を打撲して[#「彼れは卒然沼間守一を打撲して」に白丸傍点]、大に改進黨を激昂せしむるものあらむとは[#「大に改進黨を激昂せしむるものあらむとは」に白丸傍点]。
 國會既に開くるに及で、自由、改進の兩黨相聯合して藩閥政府と戰ひ、稱して民黨と謂ふ※[#白ゴマ、1−3−29]彼れの代議士と爲るや、亦民黨と其向背を同うし、民黨の推挽に依て衆議院議長の椅子を得たりき※[#白ゴマ、1−3−29]然るに彼れは倏忽手を飜へして復た改進黨を攻撃し[#「然るに彼れは倏忽手を飜へして復た改進黨を攻撃し」に白丸傍点]、以て民黨を破壞するの擧を行ひたりしは何ぞや[#「以て民黨を破壞するの擧を行ひたりしは何ぞや」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]當時世間傳へて曰く、星亨の民黨破壞演説は、彼れが竊に陸奧宗光と約して、自由黨を政府黨たらしめむとするの隱謀より出でたりと※[#白ゴマ、1−3−29]されど自由黨は彼れの專有物に非ざりしを以て、彼れが言動に慊焉たるものは、皆相率ゐて自由黨と分離し、自由黨は此れが爲めに一大傷痍を受けたると共に、彼れも亦一時自由黨を去るの已むを得ざるに至りたりき。
 此に於て乎彼は啻に一般政界の信用を失ひたるのみならず、自由黨も亦漸く彼れを敬して遠け、其全權公使に任ぜられて米國に派遣せらるゝや[#「其全權公使に任ぜられて米國に派遣せらるゝや」に白丸傍点]、識者之れを評して自由黨の内亂豫防策なりといへり[#「識者之れを評して自由黨の内亂豫防策なりといへり」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]何となれば自由黨の内亂は、實に彼れが放膽不諱なる擧動に激成せらるる虞ありたればなり。
 彼れが爭鬪の力に富めるは恰も英國のオーコンネルに似たり※[#白ゴマ、1−3−29]其口を開けば輙ち罵る所[#「其
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