[#「而も其の外援すら今や漸く去らむとするを見るに於て」に傍点]、閣下の内閣は正さしく存在の資力を失ひたるものと斷言せざる可からず[#「閣下の内閣は正さしく存在の資力を失ひたるものと斷言せざる可からず」に傍点]、大石正巳氏が第十四議會に於て、閣下の内閣を評して借馬内閣といひたるも、亦實に此の意に外ならざるのみ。
さりながら閣下願くは我輩の説を誤解する勿れ、我輩は決して立憲國の内閣を以て或る勢力の援助なくして存在するものなりとは信ずるものに非ず、或る勢力とは議會に絶對的多數を占むるの政黨即ち是れなり、而して斯くの如き大政黨の援助は、固より立憲國の内閣に必要なるを疑はずと雖も、閣下の内閣は唯だ一時の利害に依りて政府を辯護する聯合黨を有するに過ぎずして[#「閣下の内閣は唯だ一時の利害に依りて政府を辯護する聯合黨を有するに過ぎずして」に白丸傍点]、主義政見に依りて統一せる一大政府黨を有せざるを奈何せむや[#「主義政見に依りて統一せる一大政府黨を有せざるを奈何せむや」に白丸傍点]、人あり閣下に向て閣下は眞の政府黨を有するやと問はゞ、閣下は必らず然りと答ふるの勇氣なかる可し、是れ事實に於て眞の政府黨なきのみならず、閣下は曾て公然眞の政府黨を作りたることなければなり、則ち我輩は唯だ閣下が議院政略を亂用して政黨を操縱したるを見る[#「則ち我輩は唯だ閣下が議院政略を亂用して政黨を操縱したるを見る」に傍点]、未だ閣下が主義政見に依りて進退を倶にす可き眞の政府黨に援助せらるゝを見ず[#「未だ閣下が主義政見に依りて進退を倶にす可き眞の政府黨に援助せらるゝを見ず」に傍点]。
相公閣下、我輩の聞く所に依れば、伊藤侯は改正選擧法通過の後、竊に閣下に向て政府黨組織の計畫目下に必要なるを説き、暗に此の大任を伊藤侯に委するの内勅を得るの手段を盡さむことを求めたるに[#「暗に此の大任を伊藤侯に委するの内勅を得るの手段を盡さむことを求めたるに」に白丸傍点]、閣下之を肯んぜずして曰く[#「閣下之を肯んぜずして曰く」に白丸傍点]、君にして苟も政黨を組織せむとせば則ち君自ら之れを爲して可なり[#「君にして苟も政黨を組織せむとせば則ち君自ら之れを爲して可なり」に白丸傍点]、内閣は斷じて其の議を贊するを得ずと[#「内閣は斷じて其の議を贊するを得ずと」に白丸傍点]、此に於て乎伊藤侯は閣下の與に爲すあるに足らざるを
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