るを見るに就ても」に白丸傍点]、亦其の生活の如何に贅澤なるやを知るに足るべし[#「亦其の生活の如何に贅澤なるやを知るに足るべし」に白丸傍点]。
 伯は啻に門戸を開放して、善く客に接し、人を饗するのみならず、更に善く馬車を飛ばして公私の會合に出席せり。而して伯の往く所[#「伯の往く所」に傍点]、必らず一段の活氣ありて場屋に磅※[#「石+(くさかんむり/溥)」、第3水準1−89−18]せり[#「必らず一段の活氣ありて場屋に磅※[#「石+(くさかんむり/溥)」、第3水準1−89−18]せり」に傍点]。蓋し總べての雄辯家が皆失敗する場合に於ても[#「蓋し總べての雄辯家が皆失敗する場合に於ても」に傍点]、獨り伯は辯論演説に於て常に成功するを以てなり[#「獨り伯は辯論演説に於て常に成功するを以てなり」に傍点]。伯は沈默を守る能はざる人にして、曾て不言實行といへる流行語を冷笑して曰く、言語あるもの必らず實行家にあらずと雖も[#「言語あるもの必らず實行家にあらずと雖も」に白三角傍点]、實行家にして不言なるものあらず[#「實行家にして不言なるものあらず」に白三角傍点]。所謂る不言實行とは[#「所謂る不言實行とは」に白三角傍点]、意見もなく自信もなき人物の遁辭のみと[#「意見もなく自信もなき人物の遁辭のみと」に白三角傍点]。此の斷定の正當なるや否やは遽に判ず可からずと雖も、伯が言論を好むの性癖あるは、此の一語に依て之れを察すべし。
 從來伯は其の言論の餘りに多きが爲に、所謂不言實行を以て自ら任ずる政治家は、伯を稱して大言放論家と爲し、以て其の信用を傷けむとしたり。而かも伯は其の言論の力に依りて[#「而かも伯は其の言論の力に依りて」に白丸傍点]、反つて市民の崇拜を鍾めたり[#「反つて市民の崇拜を鍾めたり」に白丸傍点]。是れ他なし[#「是れ他なし」に白丸傍点]、伯は最も聰慧なる市民の思想を語るの豫言者なればなり[#「伯は最も聰慧なる市民の思想を語るの豫言者なればなり」に白丸傍点]。伯は好で意見を吐露すれども[#「伯は好で意見を吐露すれども」に白丸傍点]、敢て異を立てゝ高く自ら標置するの論客にあらずして[#「敢て異を立てゝ高く自ら標置するの論客にあらずして」に白丸傍点]、輿論の代言者なり[#「輿論の代言者なり」に白丸傍点]。伯は個人的意見の創造者に非ずして[#「伯は個人的意見の創造者に非ずし
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